雇用側にも労働者側にも確認が必要

離職率は、高いほど定着率が低いことになるが、なんと新卒では約3~5割にものぼるという厚生労働省の統計がある。
また、「内定率が低い年に卒業した者の3年以内の離職率は高くなる傾向がある」とのことだ。つまり、競争が激しい時ほど、ミスマッチが増えてしまうようだ。ミスマッチは、雇用側・労働者側どちらにとっても困ることである。
また、離職率の高い職種としては、宿泊業や飲食サービス業が最も高く、次いで生産関連サービス業や娯楽業、3位が教育や学習支援業であるようだ。教育や学習支援では、ほぼ2人に1人が3年以内に離職するようだ。
企業などの雇用側にとっては、せっかく育てた人材を失うことになり、労働者としては経験を積んでいくことができないことになる。これは、非常にもったいないことで、人材を育てるという意味でも、努力していかなければ、人材の定着率は上がらないだろう。労働者側は、大企業だから安心ということではなく、職種などのミスマッチを避けたいものだ。そのためには、自分が好きな仕事か、快適な職場環境であるかなどについて、細やかな確認をした方がいいだろう。
雇用側は、少しでも快適な職場環境を目指していくことが、回り道のようでも必要なことであるだろう。働く側にとっての快適な職場は、アンケートによれば「人間関係についての希望」が多いとのことだ。金銭面などの福利厚生も大事だが、職場において良いコミュニケーションを十分に取ることができる、そんな会社であれば、労働者は辞めずに経験を積むことができるだろう。雇用者が労働者とコミュニケーションを取ることで、大切な人材を本当の意味で育てていくことができ、企業の生産性も上がっていく事だろう。