労働環境によって離職が起きる

医療や介護の現場は人と深く関わる仕事のため、人間関係に問題を抱える人は珍しくない。そこに労働環境の苛酷さも加わり、今の仕事に悩みを持つ人が多いのだ。
特に人手不足から、長時間勤務が常態化している傾向にもある。長時間勤務なら当然給料は良くなるが、それだけでは働く充実感は得られない。そのため、依然として離職率が高くなっている。
24時間365日稼動している医療や介護の現場では、夜勤が必須だ。勤務時間帯に関する細かい労働規制がなく、場合によっては無理な勤務体制になっているケースもある。
また、月60時間以上の残業は法律で禁止されているため、サービス残業を暗黙に強いられている状況となっていることも考えられるだろう。特に新人の場合には、自分の労働環境が良いか悪いかの判断できないのも実情だ。
そして、医療や介護の世界は志の高い人が多いことから、多少の労働環境の悪さにも忍耐してしまう。そのため、毎年一定数の人材はこの世界に入ってくるものの、一度離職の流れが起こると次々に広まってしまうのだ。加えて医療や介護の現場で長年働いている先輩や上司は、部下や新人に対して要求するレベルが高くなる傾向が強い。自分と同等に仕事ができないと、それが強い批判となって現れる。
そうした現状を見直し始めている医療や介護の現場も出てきており、いわばブラックとホワイトのように2極化しつつあるのだ。そこで今の自分の職場がブラックなのかホワイトなのか、見極めることが必要となってくる。